ウィンブルドン選手権2022は、男子シングルスではノバク・ジョコビッチ選手の4連覇でセンターコート100周年という記念大会に幕を下ろしました。今大会、テニスファンの中で話題となっていたのが、男子シングルス決勝の組み合わせです。
そこで今回は、ウインブルドン2022 男子シングルス決勝について、結果だけでなく、2選手間の因縁や大会後の2人のコメントについてまとめていきます!
因縁の対決・ジョコビッチVSキリオス
ウィンブルドン2022の男子シングルス決勝は、ノヴァク・ジョコビッチ選手(セルビア)とニック・キリオス選手(オーストラリア)の組み合わせで行われました。ジョコビッチ選手は大会4連覇をかけて、キリオス選手はグランドスラム初制覇を目指し決勝戦まで勝ち上がりました。
結論からお伝えすると、試合結果はジョコビッチ選手が
· 4-6
· 6-3
· 6-4
· 7-6(7-3)
のセットカウント3−1で制し、ウインブルドン4連覇・グランドスラム通算21勝という大記録を達成しました(グランドスラム最多勝利は、ラファエル・ナダル選手の22勝)。
二人は犬猿の仲だった?
実は、ジョコビッチ選手とキリオス選手はテニスファンなら誰もが知る犬猿の仲だったそうです。
ことの発端は、2020年の全米オープン。ジョコビッチ選手がいらだって背中越しに打ったボールが線審にあたり失格になった一件について、キリオス選手がツイッター批判したのです。さらに、ジョコビッチ選手が主催した大会でクラスターが発生したことに対しても、キリオス選手は批判を投稿しました。極めつけはあるインタビューで「彼は人に好かれたいという願望に病的にとりつかれているように感じる」と語ったこともあるそうです。
ジョコビッチ選手も明言こそしていませんが、キリオス選手の一方的な発言に不快感を示してきたのでしょうね。
犬猿の仲だった二人に改善の兆し!?
ジョコビッチ選手に対して、一方的な批判を続けてきたキリオス選手ですが、2022年の全豪オープンから態度が一変していきます。ジョコビッチ選手がコロナウイルスのワクチンを接種していなかったため、出場はおろか、入国も認められないことが決まるとジョコビッチ選手を擁護するツイートを投稿しました。これに対し、ジョコビッチ選手自身が「ここ数年の彼の僕に対する発言を知っていただけに予想外だった」と驚きを隠しきれませんでした。ジョコビッチ選手は、この発言によって救われたとも話しており、関係改善がなされてきているようです。
そしてキリオス選手は今の二人の関係について、「我々は、妙な話だが、ちょっとした仲良し関係にある。しばらく愛は存在していなかったことは、誰もが知るところだろう。全豪での(入国拒否)騒動のとき、彼のために立ち上がった選手や関係者は僕だけだったのではないか。今はインスタグラムのDMでメッセージをやりとりしたりしている。本当に不思議だ。」と話しています。
ジョコビッチ選手からもキリオス選手に対して、試合後のインタビューで「本当にリスペクトしている。今後、グランドスラム大会で上位に勝ち進む姿を何度も見られると思う。」と話し、さらに続けて「僕らの過去の関係を考えると、これほど君に対していい言葉をかけることになるとは、夢にも思わなかった!もうこれは公式に親密な関係だ」とも話していました。双方から良好な関係である旨が聞くことができ、ジョコビッチ選手とキリオス選手は、エンターテイメント性のある素敵な関係として、今後の楽しみになってきます。
優勝陰で・・・ジョコビッチ選手の決意
ジョコビッチ選手は、ウィンブルドンのインタビューで「正直、もうポイントを追いかけていくことはない」と語っています。世界最高のプレーヤーであり続けるためにずっと努力してきたジョコビッチ選手ですが、コロナ禍において大会出場が叶わないなどの理由もあり、不本意なかたちで世界ランク1位から陥落するなど、この1年半多くの葛藤をしてきたようです。
今後については、グランドスラムやビッグトーナメントへ優先的に出場し、「自分がプレーしたい場所、気分がいい場所でプレーをするつもりだ」と話しています。これまでのように、多くの大会に出場することはなくなるでしょうね。
最後に
ジョコビッチ選手の大会4連覇で幕を下ろした、ウィンブルドン2022。日本人選手は男女シングルスでは十分な結果は残せませんでしたが、車いす女子ダブルスで上地結衣選手が2連覇、車いすテニス男子では国枝慎吾選手がシングルス初優勝に加えて、生涯ゴールデンスラム達成という大記録を樹立しました。今年のグランドスラムは、残すところ全米オープン。日本人選手だと錦織圭選手、大坂なおみ選手の復帰と好成績も楽しみの一つですよね。今後もテニスから目が離せません!